研究課題/領域番号 |
07640899
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
動物生理・代謝
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
小山内 実 金沢大学, 理学部, 教授 (50113486)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1995年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | イニシャトリン / プロテアーゼ インヒビター / 有核精子 / 無核精子 / 精包 / 前立腺 / 貯精襄 / カイコガ / プロテアーゼインヒビター / 貯精嚢 / 精子賦活因子 / イニシャトリン・インヒビター / イムノブロット / 抗イニシャトリン抗体 |
研究概要 |
"イニシャトリン"は、カイコガ前立腺から分泌されるセリン型エンドペプチターゼで、蛋白質のアルギニンのC側でポリペプチド鎖を切断する。リジン及びアルギニンのC側で切断する哺乳類膵臓由来のトリプシンは、作用の類似を利用して、イニシャトリンのモデルとして代換え出来る。イニシャトリンは、カイコガの無核精子のみならず、他の蛾の無核精子、そしてバッタの有核精子の運動性を獲得させる。また、カイコガ有核精子束を解離し、アルギニン・カルボキシペプチダーゼの前駆体を活性化する。それと共に、アルギニン分解カスケードを作動させ、精子にエネルギーを与える。この精製標品は、前立腺では30kDaで、少量の29と26kDaのも見出された。前立腺分泌液を含む精液で雌交尾襄内に構築される、精包由来精製イニシャトリンは29と26kDaであった。これらは、前立腺由来30kDa標品を免疫原とする抗体に基く、免疫学的解析によって確認された。イニシャトリンの極めて強い自己分解性を考え合わせると、前立腺では、まず30kDaイニシャトリンが分泌され、それが29kDaと26kDaに自己分解するように思われる。精包由来精製29kDaイニシャトリンは、無核精子賦活作用が弱いが、前立腺由来30kDaイニシャトリンは強く、N末20以外のアミノ酸配列がこの作用に関係する事を示唆する。その上、このイニシャトリンは、上記"イニシャトリン"としての条件を全て満足した。前立腺にイニシャトリンと共に存在するそのインヒビターは、約1万の分子量を待ち、耐熱性を有する。恐らく細胞保護のため、イニシャトリンと結合した状態で細胞内に存在し、分泌後、射精によって、イニシャトリン分子から離れ、活性化させると思われる。イニシャトリンを貯精襄液内精子と共に雌交尾襄内へ注入すると、卵を受精せしめる事が出来た。イニシャトリンは単なるエンドペプチダ-ではなくて、受精に不可欠の因子である。
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