研究課題/領域番号 |
07640912
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物生理・代謝
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
片桐 康雄 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (50075420)
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研究分担者 |
片桐 展子 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (30075428)
島谷 祐一 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (20154263)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 光受容細胞 / フォトトランスダクション / 過分極性光応答 / cGMP / K^+電流 / A-電流 / 4-AP / IBMX |
研究概要 |
過分極性光応答を示す無脊椎動物光受容細胞におけるフォトトランスダクション機構を解明するためホタテガイ(Patinopecten)の外套眼中の遠位細胞を用いてパッチクランプ法による研究を行った。その成果として過分極性光応答に関与するチャネルは、電位依存性や4-AP等のK^+チャネル阻害剤に対して暗時には典型的なK_<A->型の一過性の電流特性を示すこと、そして光照射中持続する矩形波的に過分極性応答は、光によりA-電流の不活性過程が消失することにより発生することを明らかにした(Shimatani and Katagiri,1995)。この結果は無脊椎動物の過分極性光応答がA型K^+チャネルに由来することを示唆し、また「光により修飾されるK_<A->電流」の初めての発見とし一般生理学的にも評価される。最近、Gomez & Nasi(1995)はイタヤガイ(Pecten)遠位細胞で、8-Br-cGMP注入によりK^+チャネルの持続的開放により発生する時間経過の長い大きな外向き電流を観察し光依存性外向きK^+電流と同一のものと判断し、光依存性K^+チャネルの最終伝達物質としてcGMPを挙げ公表した。わわれはcGMPの分解酵素フォスホジエステラーゼの活性化を抑制するIBMXにより、一過性の内向き電流が発現すること、および光依存性外向き電流が消失することを観察した。同様の現象は8-Br-cGMPもが起きることを確認した。この際、時間経過の長い外向き電流は見られない。すなわち、細胞内cGMP濃度の上昇によって光依存性外向き電流は消失するがK^+チャネルはむしろ閉鎖状態となることを示唆し、cGMPは光依存性K^+チャネルを修飾するものの最終伝達物質と結論付けることはできないとの結果を得た。この成果は近く公表予定である(Shimatani & Katagiri,1996)。
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