研究課題/領域番号 |
07650016
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
田中 省作 鳥取大学, 工学部, 教授 (90032284)
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研究分担者 |
大観 光徳 鳥取大学, 工学部, 助手 (90243378)
石井 晃 鳥取大学, 工学部, 助教授 (70183001)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 半導体 / 希土類発光中心 / エネルギー移動過程 / 5d励起状態 / 電荷移動励起状態 / エレクトロルミネッセンス / IIa-VIb族化合物半導体 / IIa-IIIb_2-VIb_4族化合物半導体 / IIa-IIIb2-VIb4族化合物半導体 / 局在形発光中心 |
研究概要 |
半導体中の希土類イオンの発光は4f^n内殻電子の遷移により生じるが、この内殻電子は5s^25p^6閉殻により静電シールドされており、結晶場の影響を受けにくく、希土類イオンに固有の発光を生じ、また、その発光波長が温度によらないなどの特徴を有する。希土類イオンの励起は、バンド間の励起と、それに続く、電子・正孔対の捕獲と、その再結合エネルギーの希土類イオンへの伝達により生じる。これらの材料の励起・発光過程を理解するためには、半導体中の電子・正孔対から希土類イオンの4f^n電子系へのエネルギー移動過程を明らかにする必要がある。Ce^<3+>イオンは5d励起状態を通じて、Ce^<4+>にイオン化することが知られており、とくに、Ce^<3+>のイオン化と電子の再捕獲による励起過程に着目して研究を行った。得られた結果を以下に示す。 1.エレクトロルミネッセンス材料として注目されているSrS:Ceを取り上げ、粉末および薄膜の試料を作成した。SrS:Ceでは、Ce^<3+>発光中心は、5d励起状態を有しているため、母体のバンド電子との強い相互作用が生じている。フォトルミネッセンスの温度依存性をしらべ、イオン化したCe^<4+>への電子捕獲過程は、SrS母体中でのキャリア(電子、正孔)の移動に強く依存することを明らかにした。さらにSrS:Ce薄膜に電界を印加した状態で、エキシマー励起の色素レーザー(430-450nm)を用いて、Ce^<3+>の5d状態を選択励起したところ、伝導電荷が増加することを見いだし、半導体母体(SrS)と希土類発光中心(Ce^<3+>)の間に、電荷移動を含めた励起過程が存在することを明らかにした。 2.SrGa_2S_4:Ce薄膜を作成し、同様な実験を行った。Ce^<3+>発光中心はSr^<2+>サイトに位置するが、SrGa_2S_4のSrサイトのイオン性はSrSより強い。しかし、SrGa_2S_4中においても、Ce^<3+>は母体の電子・正孔対と強く相互作用し、母体の励起により、Ce^<3+>は強い青色発光を示すことを見いだした。
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