研究概要 |
平成7および8年度を通じてほぼ全ての研究計画を実現することができた。下記に成果を列挙する. 1.ラジカル注入エッチング装置の開発 HFPOガスの熱分解により,選択的にCF_2ラジカルを発生するラジカル源を制作した.ラジカル源の評価を赤外半導体レーザー吸収分光法により行ったところ,圧力0.67Pa,900Kの加熱によりCF_2ラジカル密度は1X10^<13>cm^<-3>であり,所望のラジカル密度を得るに成功した. 2.ラジカル注入法によるエッチングラジカル種の制御とラジカル反応機構の解明 上記製作したラジカル源をECRエッチング装置に設置し,ArおよびAr/H_2プラズマ中に選択的にCF_2ラジカルの注入を行った.種々の条件下において堆積したフルオロカーボン膜の構造をXPS,FT-IRにより評価したところ,CF_2ラジカルは,イオン照射の下でのフルオロカーボン薄膜の前駆体であることを解明した.Arプラズマ照射では,フッ素に富むフルオロカーボン膜が形成されるが,Ar/H_2プラズマ照射では炭素にとむ薄膜が形成されることを見出した. 3.ラジカル注入プラズマによるSi酸化膜/Si高選択エッチング ECRArおよびAr/H_2プラズマにCF_2ラジカルを注入してSi酸化膜/Si高選択エッチングを行ったところ,Arプラズマ下では選択比3程度であった.一方,Ar/H_2プラズマ下では選択比無限大であり,CF_2ラジカルを制御することにより高選択比エッチングが実現できることを明らかにした.
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