研究概要 |
時間的にインコヒーレントな光源を用いた干渉計では,光路差がゼロの部分のみ干渉縞が発生する.一般にコヒーレント干渉計測では波長の整数倍の不確定が存在する.連続した面ではない孤立した点の位置は測定できない.このことに着目し,被測定物からの散乱光と可動参照鏡からの反射光を干渉させて,干渉縞の発生する参照鏡の位置から散乱核の絶対的な位置を測定することができる.このような低コヒーレンスな光源による干渉法が波連相開法である.本研究では,トワイマングリーン型の干渉計を作成し計測を行った.より精度を向上させるため,位柏シフト法の適用について検討を行った.位相シフト干渉法はこれまでコヒーレントなレーザー光源について主に適用されてきたが,その方法をインコヒーレントな光源を用いた干渉法について応用する揚合の問題点とその解決法について解析を行った.本研究の応用として,mmのオーダーのブロックゲージの絶対長測定を行った.本方法と,これまで用いられてきた多波長法の結果を比較し,誤差の評価を行った.生体試料の場合,干渉縞のS/N比が小さいため,縞解析法として,ウェーブレット変換,セプストラム変換,相関法などを複合的に用いより高感度な計測を行った.また,より輝度の高い光源として半導体レーザーを用いる可能性を検討した.半導体レーザーに外部共振器を付け,リットマン配置にすることにより,50nm程度の変調幅をえることができた.この光源を用い,実時間で波長をシフトし,干渉縞を取り込み,計算機のなかで合成することにより波連相関を行い,よい高い精度で測定を行うことができる.
|