研究概要 |
センサとして光ファイバ,アクチェ-タとしてセラミックピエゾ素子に加えて、ER流体(Electro-rheological fluids)を一体化し,アクティブ振動制御を目的としたスマートCFRP複合材料はりの設計と製作を行なった.まず,センサとしては,オンラインモニタリング可能な一体化システムを構築するため最適なマイケルソン干渉計型光ファイバひずみセンサのディジタル処理手法を確立した.この場合プロセッサとして,従来から用いているマイコンの処理能力を大幅にアップさせて活用した.つぎにアクチェ-タとしてER流体をシリコンシーラントで封入したCFRP積層板に,さらにピエゾセラミックスを絶縁のためカプトンフィルムを介して接着してハイブリッドスマートCFRPはりを設計し製作した. 振動実験と数値計算の結果,つぎのようなことが明らかになった.まずER流体に印加する電界の波形および周波数の影響に関して(1)ER効果の制御には,印加電界は正弦波よりも矩形波の方がより効果的である.(2)共振状態にあるCFRP複合材はりは、複合材はりの1次固有振動数に近い振動数の電界をER流体に印加するとうなり現象が生ずる.(3)複合材はりの1次固有振動数以下の振動数の電界をER流体に印加するとき重畳波形が観測された.(4)複合材はりの1次固有振動数以上の振動数の電界をER流体に印加するとき,その周波数が上昇すると次第に振動抑制効果が減少する.続いて2つのアクチュエータのハイブリッド効果に関しては(5)それぞれ単体で使用する場合よりもより高い振動減衰特性が得られることを示した.(6)ピエゾ素子の励振力が大きすぎると発散する現象が起こる.(7)数値解析結果と実験結果の比較より,ピエゾ素子の励振力が振幅に依存することが分かった.
|