研究課題/領域番号 |
07650118
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機械材料・材料力学
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
邉 吾一 (邊 吾一) 日本大学, 生産工学部, 教授 (90060079)
|
研究分担者 |
青木 義男 日本大学, 理工学部, 講師 (30184047)
西 恭一 日本大学, 生産工学部, 助手 (00256819)
村田 守 日本大学, 生産工学部, 講師 (40287595)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1996年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1995年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | CFRP積層材 / 横せん断係数 / 横せん断破壊ひずみ / 横方向等方性 / 超音波探傷 / 電子工学式変位計 / 3次元有限要素法 / クロスエラスティシティ / 複合材料 / CFRP / 横せん断強度 / 横せん断剛性 / ショートビームテスト |
研究概要 |
繊維強化プラスチック(FRP)複合材料は厚さ方向に積層されて使用される場合が最も多く、その場合の破壊の主要なモードは層と層が剥がれて壊れる層間破壊であるが、この厚さ方向の横せん断弾性係数や横せん断破壊ひずみは、実験の困難さのために、今まで求められていないのが現状である。 本研究では、CFRP積層材の静的3点曲げショートビーム試験を行い、本研究で特別に考案された電子光学式非接触変位計を用いて、従来測定されることのなかった横せん断ひずみを負荷の初期から破壊まで求め、CFRP積層材の繊維配向角と横せん断弾性係数および横せん断破壊ひずみの関係を実験的に初めて明らかにした。また、実験結果と積層理論による解析結果との比較を行い、FRP積層材の横せん断弾性係数を求める試験法の妥当性およびFRP積層材の横方向等方性の仮定の妥当性を実験的に初めて検討した。さらに、繊維配向角によってFRP積層材の破壊がせん断破壊から曲げ破壊に移行することを超音波探傷及び3次元有限要素法の解析によって明らかにしている。以下、本研究で得た具体的な成果を箇条書きで記す。 (1)従来垂直ひずみを精度良く実測するために用いられてきた電子光学式非接触変位計を、同一水平線上の2点の垂直変位を求められるように改良することによって、今まで測定されなかったCFRP積層材の厚さ方向の横せん断ひずみ求めることができた。 (2)斜向一方向材の横せん断特性に与えるクロスエラスティシティ効果の影響を実験的に明らかにし、その影響を取り除いて、繊維配向角と横せん断係数や横せん断破壊ひずみとの関係を明らかにした。 (3)一方向材の繊維配向角が変化した場合と疑似等方性積層材の積層理論による横方向せん断弾性係数の計算値は実験結果と良く一致し、これより任意の繊維配向角と積層構成を有するCFRP積層材の横方向せん断弾性係数は積層理論で求められることを示した。 (4)90°材の横せん断弾性係数の実験値は横方向等方性の仮定による引張り試験の結果から求めた値とほぼ一致し、従来から用いられていた一方向積層材の横方向等方性の仮定の妥当性を初めて実証した。 (5)繊維配向角の増加と共に0°及び15°材はせん断によって破壊し、30°材はせん断と曲げ(圧縮)で破壊し、45°材以上は曲げによって破壊することを明らかにし、これらの結果は超音波探傷結果と一致した。
|