研究概要 |
本研究では,材料の応力,ひずみ,磁化,分極等を含む構成方程式の一般理論を開発し,広範囲のインテリジェント構造材料の機械的,電気・磁気的な設計・解析法を確立することを最終目的としていた.本年度は,電磁場解析の計算精度の向上のために昨年度新たに開発した3-field methodについて詳細な検討を行い,本法を用いることで,磁化密度の大きい材料について,静磁場問題から渦電流問題まで統一的に取り扱うことが出来ることを示した.その成果は3編の論文に掲載済または掲載予定である. また,構造変形との連成問題については,静磁場中の強磁性体の座屈問題について,昨年度までに提案した理論に基づく解析コードを開発した.本理論では,電磁場が変形に依存して変化する磁気剛性と呼ばれる効果の一般的な表式が得られており,任意形状の構造物に対する座屈磁束密度を評価することができる.本プログラムに3-field methodを導入し,例題として片持ち平板を取り上げた.その結果,実験結果との良好な一致を得ることができた.また,円筒の座屈についての解析を実施中である.この成果は,A large deformation theory of solids subjected to electromagnetic forces and its applications to magnetoelastic problemsと題して,1997年5月にドイツで開催されるInternational Symposium on Non-Linear Electromagnetic Systemsで発表の予定である.
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