研究概要 |
次世代磁気ディスク基板のポリシング法で問題となる事項の内で,基板の端面ダレに及ぼすポリシング相対速度とポリシング圧力の影響を主として検討した.現在最も大量に使用されているニッケルリン無電解メッキ型アルミニウム磁気ディスク基板を用いた.以下に得られた主な結果を示す. 1.ポリシング相対速度が遅く,ポリシング圧力が低い場合には,端面ダレが増加するが,基板端面ダレ半径幅は最初減少し,最小値を示した後,増加するような変化を示す.この一方,ポリシング圧力が高い場合には,端面山が形成され,端面ダレ半径幅は,圧力が低い場合と同様な変化を示す. 2.ポリシング相対速度が速い場合には,ポリシング圧力に関わらず端面ダレが増加する. 3.上記2.のポリシングでは,端面ダレ半径が2mm程度にもなるが,上記1.では,500μm以下にすることができる.この結果,3.5インチ基板の有効記録面積を5%以上増加することができ,適当なポリシングを行うと端面ダレの少ない有効記録面積の大きな磁気ディスク基板を製作し得ることがわかった. 4.(1)ポリシャを止め基板のみを回転させるポリシングと,(2)基板を止めポリシャのみを回転するポリシングを行い,端面形状変化を検討した.その結果,前者では,端面山が形成され,後者では,端面ダレの増加が生じ,これら両方の端面形成機構が複合して端面形成が生じることがわかった. [研究発表] 1)精密工学会九州支部鹿児島地方講演会講演論文集(1995年11月14日)pp.39-40. 2)1996年度精密工学会春季大会学術講演会講演論文集(1996年3月27日開催予定)
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