研究概要 |
セラミック球の高性能加工法(高加工能率,高真球度,高表面品質,低コスト,清浄環境)を開発することを目的に,ダイヤモンド砥石によるセラミック球の磁性流体援用研削装置を設計・試作した.粒度SD200〜8000の砥石で粗研削〜仕上げ研削実験を行い,下記の知見を得た. 1.セラミック球の磁性流体研削装置の特長 (1)固定砥粒方式のダイヤモンド砥石を採用したため,環境を汚染せずに高能率加工が実現されるとともに,砥石粒度を順次変えることにより粗加工から仕上げ加工まで可能となった. (2)高価な磁性流体を隔室内に密封したため,加工コストの低減,加工圧力の安定を得た. 2.主な実験結果 (1)研削能率は主軸回転数,砥石粒径および研削荷重にほぼ比例する. (2)SD200のダイヤモンド砥石を用いて,主軸回転数4000rpmで粗研削加工したところ,直径減少率30μm/minの高能率加工が実現された. (3)到達真球度は回転砥石の粒径に比例し,主軸回転数の減少とともに直線的に減少し,良くなる.また,到達真球度は主軸回転数2000rpm以上の場合は研削荷重が増加すると改善されるが,2000rpm以下の場合は逆に研削荷重が低い方が良い. (4)真球度は6分間の極めて短い研削時間で初期の43μmから6μmに改善された.また,SD8000砥石で真球度0.121μm,表面粗さRmax0.092μmの高精度なセラミック球が得られた. (5)加工球は研削特性に大きな影響を及ぼす.摩擦係数の高い準乾式研削の真球度が最も良い. (6)砥石粒度,砥石回転速度,研削荷重の広い研削条件で窒化珪素(HIP)球が延性モードで研削されていることが確認された. (7)酸化クロム砥石によるメカノケミカルポリシング加工は真球度の改善にはあまり効果がないが,表面粗さの改善には有効である. (8)ガイドリング材質やテ-バ台設置方法(自由回転・固定)は研削特性に殆ど影響しない.
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