研究概要 |
多様な設計要求を満たす設計を集積化設計と呼び,集積化を機能の集積化と空間的集積化に分けて定義し,機能の集積化を満足する設計を支援するためには設計の機能要求に対応する機構データベースと設計者の意思をまとめあげる意思決定部分が必要であることを指摘した. 機構データベースの構築法として,ISMを用い機能要求と機構の有する機能の関連性を明らかにした.また,各要求機能ごとにAHPを用い機構の評価を行い,それらをデータベースとしてシステム内に構築した.空間的集積化を考慮した設計の概念設計を支援するシステムを構築し,その特徴としては以下の3点を挙げている. (1)機構の配置空間を確立の概念を導入,探索して各出力端機構を接続する中間機械運動系を構成することができる.(2)機構数,占有空間を考慮した中間機械運動系の構成が可能である.(3)機械運動系の層配置の最適化を合理的にかつ迅速に行える. さらに,多機能化の要求に対して1入力多出力機械運動系を構成することで,入力源,中間機械運動系の共有が可能となり,多機能化および空間的集積化を考慮した設計を可能とした. 結果として,機能の集積化および空間的集積化を同時に考慮した設計システムを構築し,集積化機械運動系の概念設計を総合的に支援することを可能とした.
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