研究概要 |
直接シミュレーションによって得られた乱流マッハ数M_t=0.6,1.0,1.1の一様等方性乱流の局所ながれ場をトポロジー的観点から研究を行なった。高散逸領域と確率密度分布が極大値を示す低散逸領域のトポロジー構造は異なり、低散逸領域の特徴的トポロジーはStable-focus/stretchingとUnstable-focus/compressingであり、高散逸領域ではUnstable-node/saddle/saddleとStable-focus/stretchingであることが明らかになった。また、高エンストロフィー領域はStable-focus-stretchingの特徴を持つが、高エンストロフィー領域と高散逸領域は隣接して存在し、トポロジーもStable-focus/stretchingからUnstable-node/saddle/saddleへ流線パターンが連続的に形成されている。さらに、十分時間が経過した圧縮性一様等方性乱流の局所ながれパターンの統計はほとんど変化を示さず、トポロジーの割合いはほとんど不変のまま乱流エネルギーが減衰すると言ってよい。一方、Dilatation散逸過程については、大きさが小さい領域は上述の低散逸領域と同じトポロジーであり、高Dilatation領域のトポロジーの特徴はStable-focus/stretching,Stable-node/saddble/saddle,Stale/Unstable-node/node/nodeであることが明らかになった。 スペクトル法に近く、高波数まで高精度なコンパクト散逸スキームを開発した。このスキームは、波動方程式の計算精度が高波数極限で数値散逸が効果的に働き、バ-ガス方程式の解析解との比較をはじめ様々な衝撃波捕獲問題に適用して、不連続面のギブス現象を回避でき不連続面近傍における満足すべき精度が得られることが確かめられた。 今後、この高速流体計算スキームを使って衝撃波と乱流の相互作用に関する高精度シミュレーションを行ない、衝撃波の存在によって影響を受ける圧縮性乱流微細構造の解析が期待される。
|