研究概要 |
長方形オリフィスからの空気噴流中に円柱が置かれた場合について実験を行い,円柱まわりの流れに関する基本的特性を明らかにした.用いた噴出口は短辺3mm縦横比10の長方形であり,円柱径を3mm,10mm,20mmの3種に変えて噴流流れ場との相対的大きさの影響を調べた.また,近寄り流れの変化の影響をも考慮するために,各円柱径の場合について噴出口からの円柱設置を変えた。円柱設置に際しては円柱軸を噴出口短辺に平行あるいは長辺に平行に設置し,噴流の流れ場と円柱との干渉形態の異なる典型的な二つの場合について実験を行った.実際においては,油膜法による可視化による円柱表面での三次元流れ様式の観察,圧力変換器による円柱まわりの圧力分布測定及び熱線流速計による近寄り流れとしての自由噴流の平均,変動速度測定を行った.以上の実験より,流れ場により著しく変わる円柱まわりの圧力分布や円柱への流体力(抗力),また近寄り流れの乱れ強さと円柱まわりの変動圧力分布との関連について新知見を得た.関連する研究として,二次元自由噴流中のエッジ音制御や平板に近接して置かれた円柱への衝突噴流に関する実験を行った.これらの結果をも参照して,今後継続し他の噴出口形状を用いた場合との同異や平板への衝突噴流の流れ場を調べることにより,長方形衝突噴流の流れ場制御と有効利用についてのより一般化した基準を探ることとしたい.なお,変動速度及び圧力の測定に際しては,データレコーダ(前年度購入の設備備品)を用いてサンプリング時間や数が測定精度に及ぼす影響を検討してきており,今後の系統的に調べることにより,流れに応じた的確でかつ能率的な乱流測定の条件を明らかにすることとしたい.
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