研究概要 |
高速一体回転するハウジングとコア間のすきまに微量の貫流(水)を加えて生成させた.流体乱れのまったくない準剛体回転流中で,希薄濃度で分散された粉体微粒子(サブミクロン粒子に至るまで)を高精度で分級する新方式について,理論的,数値的ならびに実験的に考察した結果,以下の主な知見を得た. 1.エクマン層流れ中での粒子の分級性能についての理論的考察 (1)エクマン層流れの線形解析解を用いて,エクマン層での粒子軌道の近似解析解を得た. (2)エクマン層の壁近傍位置に原料粉体を一様に供給する場合,分級径はエクマン数,ロスピー数,壁形状ならびに粒子の真比重および形状に依存して変化するが,分級の鈍さはこれらに無関係で供給位置にのみ依存する. 2.真比重が2.0の球形シリカ粒子のサブミクロン分級の性能についての実験的考察 (1)分級の鋭さ鈍さは,ロスピー数ε_Eが8.1×10^<-3>の場合,エクマン数Eに依存して変化し,E=6.7×10^<-3>では1.47の高精度値が得られた. (2)一方,分級径はE^<1.70>に比例して変化し,サブミクロン分級はE≦6.0×10^<-0>の条件下で達成された. 3.処理効率を増大させる連続分級方式に拡張するための粗粉産物の連続抽出についての理論的・実験的考察 (1)ハウジングから抽出を行うと,無抽出の場合剛体回転領域である領域はエクマン層と内部領域に変化する. (2)原料粉体を供給するエクマン層の輸送量は抽出されないという抽出流量(限界抽出流量)の条件下では,抽出流量を増大させても無抽出の場合と同等の高精度の分級の鋭さ(1.3)が得られる.一方限界抽出流量以上でも,エクマン数E,ロスピー数ε_Eを大きくすれば,無抽出の場合と同等の高精度の分級の鋭さが得られる.
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