研究概要 |
本研究は,十分に発達した正方形断面管路内乱流の乱流統計量の高精度測定を行い,その結果をデータベース化することによって,従来から行われていたDNS(直接数値シミュレーション)を検証することを目的として行われた.本研究により,以下の知見が得られた. 1.実験結果のデータベース化 実験より得られた管路の1/4断面における乱れ強さ,歪度,平坦度,およびレイノルズ応力等の乱流統計量をグラフィックスワ-スクテーションに入力し,可視化用ソフトウエアAVSを用いて種々の乱流統計量の空間構造を示すデータベースを作成した.その結果,正方形管内乱流においては,管壁面付近で生成されたイジェクションが壁面から上昇するとともに管路角部に向かって曲がる現象によって乱れが生じていることが明らかになった.また,管路角部では,二つの壁面で生じた上記の現象が互いに干渉し合い,特異な流動が現れることを示した. 2.DNSの検証 本データベースに基づいて従来から報告されていたDNSの結果を検証した結果,DNSによって信頼性のある結果を得るためには,レイノルズ数が4000程度の場合,格子点数が800×128^2程度必要であることがわかった.
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