| 研究概要 |
環状二相流における気液界面の波動特性と液滴発生機構を明らかにするため,超多断面ホールドアップセンサ及び多点点電極センサによる測定技術を開発し,液膜厚さの管軸方向特性,管横断面内における気液相分布特性の測定を行い,さらに管内部から気液界面構造の詳細を観察するため内視鏡を挿入して,気液界面波動の時空間特性並びに液滴発生機構に関する情報を収集する実験を行い,以下の結果を得た.
(1)超多断面ホールドアップセンサによって得られたプロフィル図は,スラグ流から環状流へ遷移する条件,及び遷移領域での気液界面に出現する複雑な波動現象を明確に表す.また,環状流において擾乱波は基底液膜に比べて非常に波高の大きい波であることを明瞭に示している.
(2)超多断面ホールドアップセンサにより時空間様態図を作成し,気液界面で発生する波の伝播速度,及び大小の波の生成,合体,消滅の過程を明らかにした.環状流領域では大きい波が比較的規則正しく現れ,その形状を維持したまま上流から下流に伝播している様相の詳細を表示した.
(3)上記2種のセンサでは検出できない,管周方向の気液相分布特性と液滴発生の状況を調べるため,管内に工業用内視鏡を挿入し,管内流動状況を観察して定性的な情報収集を行った.大きい波の到達前に多数の液滴が通過する様相,および軸方向,周方向に不均一な高さの3次元的な波の通過する様相がVTR画像によって観察された.
|
