| 研究概要 |
【研究成果の概要】
1.放電加工システムに対する最適制御を行う際の基礎となる放電加工システムの数学モデルを以下の手順で構成し、その定性的,定量的妥当性を検証した.
(1)熱伝導現象を記述する従来の放物他モデルは熱伝達速度が無限大になるという欠点を有しているので,この欠点を物理的観点から修正した双曲型熱伝導モデルを提案した.
(2)実際問題への応用を考慮して入力に外乱が作用する場合のモデルを構成した.
(3)従来の放物型熱伝導モデルと提案した双曲型熱伝導モデルの解挙動の比較を行った.
(4)提案した双曲型熱伝導モデルを用いる事により,より厳密な放電加工システムの解析が行える事を明かにした.
(5)構成した数区モデルの数学的妥当性,即ちシステム方程式の一意回の存在条件をガレルキン法を用いて明かにした.
(6)シミュレーション実験により,構成したモデルの定量的妥当性を検証した.
2.実際に放電加工システムの最適制御を行う際に重要な役割を果たす材料内部の温度分布の推定機構の構成に関する問題を以下の手順で解決した.
<推定機構の構成>
(1)材料内部にセンサーを配置することは材料を損なう可能性があるので,材料表面に温度センサーを配置する境界観測機構を採用し,その数学モデルを構成した.
(2)加工材料内の温度分布と加工深さの推定機構を構成した.
(3)構成した推定機構は非線形となるなので,実現可能な推定機構を得るための近似手段を提案した.
(4)近似推定機構を計算機で解くためのアルゴリズムを確立した.
(5)提案したアルゴリズムを用いてシミュレーション実験を行い,加工中の材料内部の温度変化と加工深さのオンライン推定の有効性を検証した.
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