研究概要 |
本年度は,長距離串形系統における内部共振の抑制法について検討を行なった。得られた成果を以下に示す。 ・まず,マシュー線図により内部共振に関する安定条件を導いた。そして,共振の抑制には発電機の制動強化と共振強度の緩和の二つが考えられることを示した。 ・つぎにAVRによって内部共振が緩和される様子を,負荷母線の電圧やモード間の相互作用の変化により明らかにした。また,対象系統では,E′_qを一定としたときに比べ、共振の強さが約10分の1になることを示した。 ・一方,界磁の時定数によりモード1が不安定化するため,PSSの付加が必要であることを示した。さらにPSSのゲインを適当に設定することにより,内部共振の抑制に必要な制動を確保できることを示した。 ・最後に,発電機数10〜50,定格出力1〜20puの範囲で対象系統のシミュレーションを行ない,系統が安定となることを確認した。また,系統の左端から右端への輸送能力を検討し,系統の長さに関わらず一定量を輸送しうることを示した。さらに,実規模系統についても,AVR,PSSによる安定化が可能であることを示した。 電力系統
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