研究課題/領域番号 |
07650354
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
国吉 繁一 千葉大学, 工学部, 助手 (30092050)
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研究分担者 |
工藤 一浩 千葉大学, 工学部, 助教授 (10195456)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1995年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 有機色素 / 多層膜 / フタロシアニン誘導体 / ペリレン誘導体 / キナクリドン誘導体 / 電流電圧測定 / 光電流測定 / 光電センサー |
研究概要 |
有機色素材料を用いてpnp型さらにはpnpn型などの多層膜を作製し、有機色素に特有な透過吸収・発光スペクトル等の光フィルタ効果や電荷分離のバイアス電圧依存性を利用したスペクトル可変型光カラーセンサーの作製を目的として各種色素と積層膜の可視吸収スペクトル、電流-電圧特性、短絡光電流スペクトルおよびバイアス電圧印加時の光電流スペクトルの測定を行った。用いた有機色素は、p型半導体的性質を示す色素として、フタロシアニン誘導体(CuPc)、キナクリドン誘導体(QN)を用い、n型半導体的性質を示す色素として、ペリレン誘導体(PTCDI)を用いた。これらの材料は光電変換特性の研究が数多く報告されているものから選択した。また、基板としてはガラス基板を、電極材料としてはITO、Au,A1を用い、それぞれの色素とのオーミック接触やショットキー接触を形成した。その結果、以下の知見を得た。 1.PTCDIはガラス吸着などによってn型特性が消失してしまうことが知られているので、本研究ではpnp型の素子構造として、PTCDI層を蒸着後、真空を破らずにp型層の蒸着を行い、PTCDIがn型半導体的性質を維持していることが確認された。 2.Al/CuPc/PTCDI/QN/ITOガラス構造の短絡光電流の極性からQN/PTCDI界面とCuPC/Al界面でのキャリア生成が支配的であることがわかった。 3.pnp型3層構造素子の光電流スペクトルのピーク感度のバイアス電圧依存性が確認された。-1[V]から1.5[V]の範囲でバイアス電圧を変化させることにより650nmから600nmへのピークシフトが得られた。 以上の結果より、有機色素多層膜においてバイアス電圧でスペクトル感度可変の光電センサー実現への指針が得られたと考えられる。
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