研究課題/領域番号 |
07650357
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
関 壽 東京農工大学, 工学部, 教授 (70015022)
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研究分担者 |
高橋 直行 東京農工大学, 工学部, 助手 (50242243)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | ミスト / マイクロ波プラズマ / 化学的気相堆積法 / 超伝導 / 薄膜 / 銀添加 / その場作製 |
研究概要 |
科学気相堆積法(Chemical Vapor Deposition;CVD法)は良質な薄膜結晶が容易に得られるところから、多くの機能性薄膜の作製に用いられている。しかしながら、不幸なことに酸化物超伝導体のCVDに用いることのできる適当な蒸気圧を持ち、しかも安定である原料がない。このため、不安定な有機金属錯体を原料に用いているのが現状である。先に、申請者はこのような問題点を解決するために、1.原料供給が容易で、2.高純度で、3.安価な原料を用いることができる金属塩の水溶液ミストを用いるマイクロ波プラズマCVD法を独自に開発し、as-grown状態で高い臨界温度(T_<c-zero>)を持つ良質なY系、Bi系、Tl系の超伝導薄膜の作製を行ってきた。そこで、本研究では、この方法を用いてAg添加YBaCuO超伝導薄膜のas-grown作製を試みた。原料には、金属原子比として1:2:3:としたY(NO_3)・6H_2、Ba(NO_3)_2、Cu(NO_3)・3H_2O水溶液を用いた。Ag添加にはAgNO_3を用いた。超音波振動子により霧化された原料ミストは、O_2またはArキャリアーガスを用いて成長装置中の酸素プラズマの中心に置かれたMgO基板上に供給された。得られたAg添加YBaCuO薄膜は、従来のYBaCuO超伝導薄膜に比べ、凹凸の少ない表面であり、T_<c-zero>は80Kから85Kへと増加した。Agの添加によるこのような物性の向上は、X線回折や室温抵抗の測定結果より、YBaCuO薄膜の結晶性の向上に起因することが明らかとなった。このように、as-grownでのAg添加YBaCuO超伝導薄膜の作製に成功した例は国内外ともなく、大きな成果といえる。
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