研究課題/領域番号 |
07650368
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
村上 健司 静岡大学, 電子工学研究所, 助教授 (30182091)
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研究分担者 |
金子 正治 静岡大学, 工学部, 教授 (30022023)
渡辺 健蔵 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (70022142)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1996年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | Pb (Zr, Ti) O_3セラミックス / 低温焼結 / 粒界 / スマートセンサ / 湿度センサ / 電子顕微鏡 / 添加物効果 / 圧電効果 / 圧電セラミックス / PZT / 走査型電子顕微鏡 / 複合酸化物 / TEM / SEM |
研究概要 |
複合酸化物、BiFeO_3とBa (C, W) O_3、を添加した低温焼結Pb (Zr, Ti) O_3セラミックスの粒界ならびに等温収縮曲線を詳細に検討した結果、低温焼結は(1)粒子の再配列、(2)溶融-析出または粒界拡散および(3)粒子成長の順に進行し、鉛と銅が偏析した粒界層がこの第2段階において過渡的な液相となり、低温での緻密化を促進していると結論することができた。また、ポットミル法の導入により、焼結温度を900℃にまで低減できることが明らかになった。 添加物の添加状態を種々に変化させた低温焼結Pb (Zr, Ti) O_3セラミックスを作成した結果、添加状態に係わらずPZT単相であることや高密度であることに変化はなかったが、銅の酸化物ならびにバリウム、銅、タングステンの複合酸化物が緻密化に効果があり、タングステンの酸化物が粒子成長を促進していることが明らかになった。電気的特性の結果からは、バリウム、銅、タングステン成分は誘電率の向上に、ビスマス、鉄成分は機械的品質係数の向上に効果があることが分った。また、焼結過程での液相の出現に効果のある鉛については、粒界への過度な偏析は電気的絶縁性を劣化させることが判明した。事実、鉛の組成比を0.98とした焼結体が最も良い電気的特性を示し、電気機械結合係数が60%以上となることが明らかになった。 最後に、比誘電率と誘電損失は相対湿度の増加とともに増大し、電気機械結合係数と機械的品質係数はわずかに減少することを明らかにした。これらに対し、圧電定数は湿度に対してほとんど依存性を示さなかった。以上の結果を詳細に検討することにより、スマート湿度センサの設計が可能になると思われる。
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