研究概要 |
1.アレイ型液晶空間光変調器(SLM)のピクセルを個々にパソコンで操作できるシステムを構築して位相マスクとして用い,フェムト秒レーザの強度波形および位相波形を任意に整形できる装置を開発した.SLMは,12.8mm幅の中に100μm幅のピクセルが128個配列している.波形整形装置は,1対の回折格子間に1対のフーリエ交換レンズ対を配置し,フーリエ変換面でSLMによって周波数位相をプログラムする. (1)フェムト秒レーザパルスを任意の振幅.位相波形に整形するための位相マスクをSimulated-Annealing法を用いて設計した.非対称波形であっても,位相のグレイ値を4種とることによって,整形可能であることを明かにした. (2)100fsの入力パルスレーザを本波形整形装置によって,繰り返しTHzのフェムト秒パルス列,非対称パルス列,線形周波数チャープしたパルス,等に整形できることを実証した. 2.整形されたTHzパルス列を用いて,半金属Biに選択的なフォノンモードを励起することに成功した. 3.この波形整形器をSuper Luminescent Diodeの広帯域光に適用し,コヒーレンス関数を整形できることを実証した. 4.フーリエ周波数面での位相をコーディングすることによって複数の光信号を送信し,空間光変調器,あるいはあらかじめ作製されたホログラムによってエンコーディングできることを実験的に証明した.実験は,実験の容易なCW光を用い,空間周波数域でのコーディングを行ない2重に書き込んだホログラムによってマッチした信号のみがエンコーディングできることを示した.グレーティングを加えるのみで本手法はフェムト秒光での符号多重通信実験と等価である.
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