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ゲインスケジューリングは大きな潜在能力を秘めた実際的な手法であるが、系統的な方法として確立されたものではない。本研究では、スケジューリングパラメータを独立変数にとるという着想のもとに、ゲインスケジューリング理論の体系化を目標とした。そこでは、まずゲインスケジューリング理論の枠組みの検討をおこない、ついでゲインスケジューリングによって構成される非線形制御系の解析法と評価方を与えた。そして、その評価の観点から満足できる(各平衡点での線形近似系に対する)線形制御則の構成法とスケジューリング法を確立した。本研究では特に、スケジューリング手法(例えば補間法)の問題には言及せず、理想的なスケジューリングが可能という前提に立って、十分満足できる制御性能を持った大域的制御則を与える線形制御則の構成法を与えている。構成法は状態フィードバックが可能な場合、出力フィードバックのみが許される場合、それぞれに対して与えられている。計算機シミュレーションによりその有効性を確認しているが、特に状態フィードバックが可能な場合については、実システムへの適応性についても検討し、良好な結果を得ている。
実システムとしては、ガスタービンエンジンの制御問題と発電機制御問題(AVRつきPSSの設計問題)を取り上げ、モデリングから、解析・設計までをおこなった。非線形システムのシミュレーションモデルにより数値実験をおこない、提案手法の有効性を確認することができた。これらの成果は今後発表予定である。
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