研究課題/領域番号 |
07650536
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造工学・地震工学
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
岸 徳光 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (30153076)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1995年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | RC部材 / 衝撃実験 / AFRPロッド / 耐衝撃性 / 衝撃応答解析 / 衝撃耐力 |
研究概要 |
異形鉄筋を補強筋とするRC部材は、構造部材として多く用いられているが、衝撃的な外力を受けることにより、載荷点部にひび割れが集中し、塑性ヒンジが発生する。このため靱性に乏しいことが明らかになっており、衝撃的な外力に対する安全性確保に問題があることが指摘されている。 本研究は、衝撃力に対するこのようなRC部材の欠点を克服出来るような構造部材を開発することを目的として、新素材繊維を補強筋とするRC構造を考え、その耐衝撃性状についての実験的及び数値解析的検討を行なったものである。ここで検討するRC梁は、弾性歪範囲が広いアラミドあるいはビニロン繊維を用いたFRPロッドを補強筋とするものである。これらの弾性歪範囲は鉄筋の約8〜10倍程度で、多少のひび割れに対しても十分弾性状態を保持できるため、鉄筋のような応力集中も発生せず、曲げひぼ割れが分散して発生し梁全体で挙動出来るものと考えられる。 本年度の研究では、実験研究として基本寸法が桁高24cm、幅16cm、全スパン長を250cm(支点間距離200cm)とする各種複鉄筋RC梁を製作して、重量200kgfの重錘を用いた衝撃荷重載荷実験を行なった。実験結果の検討は、重錘加速度、支点反力、ひび割れ状況、補強筋の軸歪および梁の変位の応答波形を用いて総合的に行なった。また、実験の妥当性を検証するために、衝撃問題解析用汎用コードDYNA3Dを用いて、実験と同一条件の基における数値解析を試みた。 その結果、以下のことが明かとなった。1)衝撃力による破壊形式は、異形鉄筋を補強筋とするRC梁では鉄筋の降伏、アラミド繊維を用いたFRPロッド(AFRPロッド)を補強筋とするRC梁では圧縮側コンクリートの圧壊である。2)異形鉄筋RC梁の衝撃耐力はほぼ静的耐力と同程度であり、AFRPロッドRC梁では静的耐力の約2倍程度である。3)AFRPロッドRC梁は、異形鉄筋RC梁より最大変位は大きいものの、残留変位は格段に小さく、耐衝撃性に優れている。
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