研究課題/領域番号 |
07650631
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
交通工学・国土計画
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研究機関 | 福井工業高等専門学校 |
研究代表者 |
武井 幸久 福井工業高等専門学校, 環境都市工学科, 助教授 (20110190)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 空間(生活・交流圏) / 管理の構図 / 共同主観性(風土性) / アフォーダンス / イメージ・スキーマ / マンダラ / 交流モデル / 交流距離 / 共同主観性 / 風土性 / 生活・交流圏 / 交流 / 人口移動 / 重力モデル |
研究概要 |
第一の目的は、学際的な研究成果に基づく、生活・交流圏のモデル化である。第II章では、哲学や歴史学、心理学や現象学等の観点から「空間」概念の誤謬とその管理の問題点を示した。明治以降、殊に昭和初期から「管理の構図」が中央集権的な「資格」づけの下で、生活・交流圏を画一的「空間」として、一元的に管理してきた。その情況は現在も続き、実際の圏域やその地域・交通計画と生活者との乖離をもたらした。そこで、覚知・認識・行動実践が系列と圏域と不可分であるという新たな構制を提起した。その構制により、圏域が「場」「道」として実践的に構造化されるという概念的な基盤を設定した。 第二の目的は、そうした圏域における交流現象の記述である。III章では、共同主観性、アフォーダンス、イメージ・スキーマ概念を基に、移動:交流構制を示し、交流モデルを定義した。交流モデルは原型的重力モデル(γ=2)と同型だが、物理学のアナロジーではなく、移動の構制に基づく独自のモデルで、交流距離は、そのモデルで逆算された交流の抵抗値(距離指標)である。そしてまず交流距離と交流モデルの有効性を実証した。 交流距離は安定しているが、時系列的に変化する指標でもある。その変化を社会指標の変化と対応づけ、圏域の拡大や縮小と関連づけられることを示した。また交流目的や手段毎の交流距離に関して、安定した基本指標が存在し、一日圏では、それを通勤の交流距離とみなせることを明らかにした。さらに交流距離を人口移動等へと拡張できる点も示した。 交流モデルと交流距離は簡便で、管理的な重力モデルに代わり、今後の住民参加の基礎的なものとなると考える。殊に、交流距離は圏域の変化を明確に映し、その関係を定量化すれば、有効な圏域指標となるはずである。今後の課題は、関係の定量化、全国的な情報交流を含む地域間相互作用全般に関する包括的なモデルへと精緻化することだと考える。
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