研究課題/領域番号 |
07650636
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
土木環境システム
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山本 和夫 東京大学, 大学院・工学系研究化, 教授 (60143393)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 水循環 / エネルギー解析 / 水再利用 / 雨水浸透 / 中水道 / 多面的評価 / 多摩川 / 上下水道システム |
研究概要 |
都市の様々な形態の水循環システムがもたらす水資源の量、水質、地球環境への影響度、経済性等、多面的に評価し総合化する目的で、多摩川流域でのケーススタデイを行った。評価指標として、流量、水質、コスト、二酸化炭素排出量、エネルギー消費量、水源涵養効果、面源負荷削減効果、治水効果等を用いて多面的評価を行った。比較する水循環システムの形態は、河川水1回利用(ダム開発のみ)、河川水循環利用、雨水浸透、雨水貯留、広域中水道、ビル個別循環等で、主要な比較評価結果は以下の通りである。他流域からの導水による導水元での水資源開発の負荷や環境破壊を考慮すれば流域自給が望ましいが、河川水循環利用と雨水浸透を組み合わせることにより多摩川流域での自負担やエネルギー・二酸化炭素排出面(地球循環負荷)の増加はわずかであり、循環利用による上水道システムの小規模化による負担減少の方が大きい。透水性舗装はコストやエネルギー負担増に比して浸透効果はわずかであり、総合的評価から導入するメリットは薄い。逆に雨水浸透升による屋根雨水の浸透は効果が大きく、環境負荷が小さい。支流の流量増加による河川環境の増加のメリットも大きく、導入を全面的に推進すべきである。中水道については、個別ビル循環によるものは水資源開発効果がほとんど期待できないにもかかわらずエネルギー面での環境負荷を顕著に増加させる。水資源開発効果を期待するなら広域中水道を導入する方がよく、多摩川流域では約20%の水資源開発効果が得られる。その場合、河川水循環利用と組み合わせて完全自給が可能である。コスト面では、個別ビル循環より高くなるが、エネルギー面ではむしろ広域中水道の方が環境負荷が小さい。中水道は下水処理放流水量を減少させるため、河川水質の改善効果は雨水浸透よりも大きい。以上の結果をもとに、流量、水質、コスト、二酸化炭素排出量等を用いた総合的評価手法を示した。
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