研究課題/領域番号 |
07650639
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
土木環境システム
|
研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
木曽 祥秋 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (20144206)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1995年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 排水の高度処理 / 膜ろ過 / 膜汚れ / 吸着 / 液体クロマトグラフィー / オクタノール / 水分配係数 / 膜洗浄 / 表面分析 / 生物処理 / 膜分離法 / 高速液体クロマトグラフィー |
研究概要 |
膜ろ過法は排水の高度処理に用いられるようになっており、とりわけ膜分離バイオリアクターは新規な高度処理プロセスとして注目されている。膜ろ過法においては、膜汚れの制御が現象が共通した問題となっている。本研究では、基礎的なアプローチとして膜素材に対する有機溶質の吸着特性を明らかにするとともに、実際の排水処理に用いた膜表面に形成された汚れ物質のキャラクタリゼーションを目的とした。 吸着特性は、セルロースアセテート(CA)、アルミナ、塩素化ポリエチレン(PE)などの膜素材を固定相とした高速液体クロマトグラフィーを用いて検討を行った。アルミナにはアルコール類およびベンゼンなどの有機溶質は吸着しなかったが、CAとPEでは有機溶質の吸着が認められた。後者の場合は、保持比(吸着量の指標:log k')の対数とオクタノール/水分配係数(log K_<O/W>)との間に直線関係が認められ、吸着は疎水性相互作用によることが示された。 さらに置換基としてのハロゲンはカルボニル基と同程度にCAへの吸着を促進することが示され、また、アミノ酸、核酸塩基、ヌクレオシドなどは著しくpHの影響を受けることが示された。 PEは芳香族化合物をとりわけ吸着し、固定相の表面積当たりの吸着量はオクタデシルシラン(ODS)より100倍程度大きいことが示され、これら物質は膜汚れを誘起しやすいことが示唆された。 生活系排水処理に用いられた膜の汚れ物質は、EPMA、XPS、FTIRによる表面分析を行った。膜表面上の汚れ成分は見かけ上洗浄により容易に除去されることが示されたが、膜表面の元素分析の結果から、有機性の汚れ物質は完全には除去されないことが示された。このことと膜透過実験の結果から、膜の水透過性を回復するためには膜細孔内部の汚れ成分の除去が必要であることが示唆された。このためには、次亜鉛素酸ナトリウムによる膜洗浄が有効であった。
|