研究課題/領域番号 |
07650643
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
土木環境システム
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研究機関 | 東北工業大学 |
研究代表者 |
今野 弘 東北工業大学, 工学部, 教授 (40133053)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1996年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1995年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 藻類 / 凝集 / 凝集阻害 / 溶解性アルミニウム / ろ過 / ろ過閉塞 / 複層ろ過 / アンスラサイト / 珪藻類 / 残留アルミニウム / アンスラサイトろ層 / ろ過閉寒 / ち-電位(ツェ-タ) / 藻類生産有機物 |
研究概要 |
1.藻類の凝集と阻害に関する実験的検討 走査型電子顕微鏡(SEM)とエネルギ分散型X線分析により、硫酸アルミニウムとPACの凝集効果の違いを不溶性アルミニウムの架橋現象の強さから確認した。藻類観察には、凍結低真空乾燥法が簡単で有用な方法である。藻類のライフサイクルでは定常期、死滅期におけるTOC成分の生産かつ紫外線吸光度成分が多く、それが凝集剤のアルミニウムと多く結合して溶解性アルミニウムになる。なお他の藻類種についても検討が待たれる。凝集剤接触時間に溶解性アルミニウムの変化については、ある時間接触後に極大濃度に達し、その後また減少するという傾向をとる。その濃度や接触時間はいわゆる凝集剤の最適注入量をはずれると濃度は高く、注入アルミに対する比率も高くなる。最適な凝集操作が行われないと、溶解性アルミニウム生成率は5%程度と低いものの0.45〜5μmの比較的小さな不溶性アルミニウムが多く形成される。 2.針状珪藻の急速ろ過実験によるろ過閉塞防止のための検討 アステリオネラのような藻類のろ過効率は、結合体の場合には高いが結合が壊れて単体になると低下する。また結合体では損失水頭も大きい。ろ材厚(L)をろ材径(d)で割った無次元値(n=L/d)はろ材径に相当する厚さのろ層がn層あることに近似でき、ろ層厚さを設計する上で重要な指標となる。アンスラサイト複層の優位性をろ過効率の高さ、幅広い珪藻長に対する効率的ろ過、抑留のろ層全層にわたる広がり、小さな損失水頭の発現などが長さの異なる混合藻類の実験で確認した。実際のろ過池では凝集沈澱で相当針状珪藻は除去されるが、未ろ水中に針状珪藻が多く残留する期間がある。その場合有効径1.4mm、均等係数1.5のアンスラサイトを10cm布設するだけで、損失水頭は砂単層の場合の1/2〜1/3以下にでき、長いろ過継続時間と安定したろ水を得ることができる。5〜10cm程度の複層化は表面洗浄による洗浄効果もきわめて高い。実際池でも(ろ材径/珪藻長)<50という条件下で(ろ層厚/ろ材径)<100の範囲に95%の珪藻が抑留されるという実験結果が適用できた。
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