研究概要 |
地震危険度評価のためには、日本周辺の地震活動度を定量化することが必要であり、武者金吉編「大日本地震資料」に収録されている歴史地震のデータベース化をはかり、特に、中国地方に関連する文書については、記事内容についても参照できるようにした。また、1885年以降1995年までの気象庁による観測地震22,468個について、発震日時、震源位置、震源深さ、マグニチュードの地震諸元のデータベースを作成した。これらの地震資料に関するデータベースは、特定のソフトウェアによって、作成されているため、一般の利用には不便であるため、今後は、インターネットによる検索システムを作成し、広く公開したいと考えている。これらの地震資料データベースより、中国地方の地震活動度を定量的に評価することができた。 1995年兵庫県南部地震では、多くの建物に被害を生じたが、特に、木造住宅の被害は著しく、災害予測において、木造住宅の耐震性の評価法を確立することが要求される。木造住宅は、建築基準法による壁量規定が、新築の場合に適用されるのみで、構造形式や平面および立面形状、平面計画といった建物の基本特性や老朽化などの諸問題が取り上げられることはなかった。今回の震災は、木造住宅の諸問題を定量的に評価するための貴重な資料を得る機会であり、淡路島における木造住宅約2,000棟の被害調査から、建物の持つ様々の属性を因子とする地震被害指数の評価を行うことによって、木造住宅の地震被害にどのような属性が大きな影響を持つかを明らかにすることができた。
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