研究概要 |
1) カタルニア建築思潮(19〜20C.初頭)はカタルニア再生運動としてのカタルニア・ルネッサンサの社会的・文化的現象を背景とする建築分野における歴史主義,カタロニア・モデルニスモ,その反動としてのカタルニア・ノベセンティスモの展開として把握された。同時にその最も特徴的な部分は,19世紀末から20世紀初頭に亘るカタルニア・モデルニスと措定した。 2) 建築家Lluis Domenechi Montaner(1890-1924)を,カタルニア・モデルニスモの運動の建築思想と様式を体現する建築家として,彼の為人,著作・論稿を網羅的に概括し,更に彼の建築論論考を分析・考察することを通して彼の創作態度及びこの思潮の一端を解明し,日本建築学会論文報告集『「国民的建築を求めて」にみる彼の建築理念について-ルイス・ドメネク・イ・モンタネル研究-1』を投稿する。 3) カタルニア・モデルニスモの場所的背景としてのバルセロナの都市史の正確化の試み,Domenechとの対照の中で,A.Gaudi(1852-1926)を始めとするこの時期の多くの建築家の人と作品についての研究成果と,上記1),2)の成果を含めて,著作『バルセロナ-都市・思潮・建築』(研究成果報告書)を1999年4月までに刊行する。
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