研究課題/領域番号 |
07650751
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
建築史・意匠
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研究機関 | 有明工業高等専門学校 |
研究代表者 |
松岡 高弘 有明工業高等専門学校, 助教授 (60238988)
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研究分担者 |
川上 秀人 近畿大学, 九州工学部, 教授 (10038052)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
700千円 (直接経費: 700千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 近代化遺産 / 近代 / 炭鉱主の住宅 / 社宅 / 倶楽部 / 事務所 / 筑豊炭田 / 三池炭鉱 / 炭鉱関連施設 / 筑豊 / 唐津 / 倶楽部建築 / 事務所建築 |
研究概要 |
本研究は近代化を支えた一つの柱である炭鉱に関連する施設が近代化に果たした役割を考察し、各建物の建築的価値を明確にすることを目的とする。その為に各建物の実測調査が基本となり、建設当初に復原し、その後の変化を明確にすることが必要である。対象とした建物は炭鉱主の住宅・社宅・倶楽部・事務所であり、福岡・佐賀・長崎の3県にわたった調査は計画通りに終えることができた。研究成果の概要は以下の通りである。 炭鉱主の住宅の中で、旧高取伊好邸は明治20年代末の建設で、旧堀三太郎邸は棟札から明治31年の建設であり、建設年代が明確な住宅では現存最古である。全ての炭鉱主の住宅は接客重視の構成とすることで共通するが、中廊下・洋間・玄関間等に相違をみることが出来る。 社宅には階層格差がある。三井三池鉱業所では昭和12年に職員社宅を6段階に分類し、S氏邸はその甲号社宅と一致し、三池鉱業所で行われた社宅の標準化を示すものである。松浦炭砿の所長社宅・副所長社宅は他の職員社宅とは異なったT字形平面をなす。両者は同じ基本で設計されているが、格差もあることを明らかにした。 三井三池の山上倶楽部は接賓室(明治18年)、接待所(明治22年)、炭礦倶楽部(大正2年)、山上倶楽部(戦後)と変化していき、洋風とすることが重要であると指摘した。三井田川の百円坂倶楽部は明治34年建設の接待所と明治35年には建設されていた事務長社宅で構成され、両者が独立し、後世連結されていった経過を明らかにした。 松浦炭砿事務所は大正元年の上棟であることを確認し従来の建設年代の訂正を行った。また、設計図5枚の存在を確認し、それぞれを比較検討し、図面としての役割を考察した。 炭鉱に関連する施設は徐々に姿を消しているため、可能な限り今後も継続して調査を実施していく予定である。
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