研究課題/領域番号 |
07650752
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
木下 博嗣 北海道大学, 工学部, 助手 (40177895)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1996年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 電子線照射 / SUS304 / 損傷速度 / Heイオン / 粒界偏析 / 析出物 / 偏析 / ボイド |
研究概要 |
将来のエネルギー源としての核融合炉等の材料開発に、超高圧電子顕微鏡などを用いたシミュレーション照射が行われているが、中性子照射の結果とは一致しない事がる。その理由として照射速度の違い、時刻効果による析出物の影響がある。したがって、電子線によるシミュレート照射を中性子照射の結果により近づけるために、照射速度、析出物の影響、ガス原子の効果、照射中の温度変動等の影響を明らかにすることを目的とした。 損傷速度、ガス原子の効果を検討する試料として、市販のSUS304ステンレス鋼を用い、超高圧電子顕微鏡を用いて、3種の異なる損傷速度で0照射した。析出物の効果を検討する試料としてFe-Cr-Mn合金を用いた。 損傷速度の異なる照射実験では、損傷組織に大きな違いが認められた。高損傷速度の照射では、ボイドの形成が認められなかった試料において、損傷速度が低下するとボイド平均径は大きくなり、ボイド数密度は増加した。573K照射では顕著な粒界偏析は認められなかったが、673K照射では、粒界でNi濃化、Cr、Feが減少し、その粒界偏析量は損傷速度が低下すると増加する傾向があった。 He原子を予注入した後、電子線照射した結果、2〜5nmの微細なHeバブルがマトリックス中に均一に高密度で形成された。損傷速度が低下すると、バブル平均径は大きくなり、数密度は低下した。この結果はHe未注入試料とは逆の傾向であった。粒界偏析はほとんど認められなかった。これは、微細なバブルがニュートラルシンクとして働くためであると思われる。Fe-Cr-Mn合金においても、析出物の違いにより、損傷組織に大きな違いが認められた。これらの影響をシミュレーション照射の結果の解析時に、考慮する事で、より中性子照射の結果に近づけることが可能となると思われる。
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