研究課題/領域番号 |
07650770
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
中道 功 広島大学, 理学部, 助手 (40142335)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 結晶粒界 / 電気抵抗 / フォノン / アルミニウム |
研究概要 |
金属の単一の結晶粒界の電気抵抗の温度依存を測定した例は皆無である。金属の粒界の抵抗は非常に小さいので、抵抗の高精度測定と精密な温度制御が必要だからである。もし、測定できれば界面局在フォノンと電気抵抗の研究を開拓し、ひいては界面局在フォノンと界面構造との相関の研究への道を開く意義がある。そこで、次に述べる測定システムを完成させ、まず、単一の粒界の電気抵抗の温度依存を検出することを目的とした。 粒界の電気抵抗は双結晶において、粒界を含む微小部分とその脇の結晶粒の抵抗の差から求めるので、両者を同時に測って、測定中の温度変化による誤差を生じないようにする必要がある。そこで、感度pVのデジボル(ケースレ-社2001型+1801型)を2台用いて、粒界部と結晶粒の抵抗を同時に測定した。また、精密測定では電圧測定回路中の熱起電力の変化も大きな誤差となる。通常、測定電流を反転させ、正方向の試料電圧と負方向のそれを平均して熱起電力を消去するが、定電流電源(アドバンテストTR6143型)・パソコンを用い電流反転と測定の時間を短縮して熱起電力の変化の影響を防ぐことにより測定精度を上げた。クライオスタット(低温恒温槽)は4-300Kの温度領域で試料温度を1/1000度オーダーで制御できるものを製作した。 これらを用い、バルク抵抗比30,000の高純度アルミニウム中の単一粒界の電気抵抗の温度依存を測定した。その結果、30K以上の温度領域で粒界抵抗は温度に依存することが分かった。粒界構造依存については現在調査中である。しかし、30Kより低温では抵抗が小さいので、デジボルより高感度のSQUID(超伝導量子干渉計)でなければ温度依存の測定が困難であることも判明した。SQUID温度依存測定システムをさらに計画中である。
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