研究概要 |
高純度のSi(OCH_3)OCH_4とA1(OC_3H_7)_3を加水分解してSiO_2とA1_2O_3の混合物を作成した。さらにNa_2CO_3を1.5%加えてから1600℃に4h加熱して溶融し、ムライトとガラス相(Sio_2)が41.9%:58.1%となる混合物を作成した。これを2〜7%フッ酸で数回処理し、ガラス相を除去した。この粉末がムライトであることをXRDで確かめた後、組成分析をしたところ、Al_2O_3とSiO_2の比が3:2であった。なお、この試料にはNa_2が0.081%残っていた。1400℃で10h焼成後、TEM,BET、電子線回析などで評価したところ、この試料は約0.7ψx2.5μmの棒状単結晶ムライト粉末であった。別の試料として、市販のムライト粉末を空気中で1400℃で10h焼成し、BET,SEMなどで評価したところ、この試料は直径約1.3μmの球状多結晶ムライト粉末であった。これらの粉末を^<16>O_2中で焼成後、^<18>Oを約55%含む酸素雰囲気中で拡散焼成し、気相中の^<18>Oの濃度変化を四重極質量で測定した。これを試料中の拡散量に変換し、拡散式に当てはめてムライト中の酸素拡散係数(Doxy)を決定した。それらは1100-1300℃の範囲でDoxy=5.54exp[-481 kJmol^<-1>/RT]cm^2S^<-1>(多結晶)Doxy=1.54x10^<-2>exp[-384kJmol^<-1>/RT]cm^2S^<-1>(単結晶)と表された。単結晶中のDoxyは多結晶中のものより約2桁小さく、多結晶ムライトでは粒界拡散の影響があると推測される。しかし、拡散の見かけの活性化エネルギーは粒界拡散を含む多結晶の方が大きく、他の物質に場合とあ異なる。これについては今後検討するべきである。
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