研究概要 |
多種にわたった機能の変換を示す材料の開発のためには,従来と違った材料の設計をおこなう必要がある。そのためには,複合化が必ず必要となる。その過程で,たとえば,異なった機能を有する2つの材料を1つに組み合せるため,2つの材料間の変換効率や界面組織が重要となる。本研究では1つのモデルケースとして磁歪定数が大きい,CoFe_2O^4S圧電特性にすぐれたBaTiO_3とを組み合せ,歪を介して磁化を電圧に変換させるための材料の基礎的特性を調べた。 今回は,CoFe_2O^4SとBaTiO_3は共晶を形成することから一方向凝固を用いて,その組織制御をおこなった。 その結果,CoFe_2O^4とBaTiO_3が板状にならんだ組織と,BaTiO_3マトリックス中にCoFe_2O^4が柱状に生成する,あるいは,CoFe_2O^4が細かに分散する組織が凝固条件を変化させることによって得ることができた。BaTiO_3の結晶構造は酸素分圧に敏感に反応し,減圧のときにのみ望みの正方晶が得られた。 CoFe_2O^4とBaTiO_3の間の界面は原子レベルで直接接合し,機械変換に充分たえうるものであることが明らかとなった。 変換特性については,継続して研究を行なっている。
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