研究課題/領域番号 |
07650811
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
竹山 雅夫 東京工業大学, 工学部, 助教授 (30251622)
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研究分担者 |
菊池 實 東京工業大学, 工学部, 教授 (30089817)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1995年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | TiAl / 相平衡 / 格子安定度比 / 遷移包析反応 / 3元共析分解反応 / 相安定度性 / 相安定性 / マッシブ変態 / 包共析反応 / 組織制御 / γ-TiAl / α_2-Ti_3Al / 3相共存領域 / 冷却速度 |
研究概要 |
軽量耐熱構造用材料として実用化が期待されているγ-TiAl基合金にCr,Nbなど、純Tiに対するβ-Ti安定化元素の第3元素添加効果を添加した場合、α-Ti→α_2-Ti_3Al規則・不規則変態温度(1452K)より高温域ではβ相領域がx_<Al>/x_<Ti>【approximately equal】1(xは添字元素のmol%)付近にまで張り出し、β+α+γ 3相共存領域が現れる。また、この領域は温度の上昇に伴い高Al高第3元素濃度側へ移動する。このような実験によって求めた3相間の相平衡の温度依存性は、第3元素がそれぞれβ(bcc),α(hcp)及びγ(fcc)構造をとる場合のエネルギーの差と純Tiのそれらの比、すなわち格子安定度比を計算することによって説明できることを明らかにした.また、α→α_2変態温度より低温域になると、β+α+γ 3相平衡はβ+α_2+γ 3相平衡へとの移り変わる。この高温α相の分解過程は、第3元素がα/α_2間の相安定性に及ぼす効果に強く依存することを明らかにした。すなわち、α相に対してα_2相を安定化させる効果を持つ場合には、高温α相はβ+α→α_2+γ遷移包析反応を経て分解・消滅し、一方、α_2相に対してα相を安定化させる効果を持つ場合には、α→β+α+γ 3元共析分解反応を通じて消滅する。V及びNbは前者の効果を持つ元素である。 これらの平衡状態図の知見に基づき,2元系Ti-Al合金にβ安定化元素を添加すると、γ相はβ相と直接平衡し、2元系では存在しないβ相を介した組織形成経路が現れることを実験的に示し、β相を視野にいれて考えれば、γ-TiAl基合金の組織は大幅に制御できることを明らかにした。なお、このような状態図の情報に基づいて、高温α相の分解を利用した組織制御によって得られるα_2/γ ラメラ組織の高温クリープ特性をγ単相材と比較した結果についても併せて検討した。その結果、1200℃以上で形成させるラメラ組織は850℃における応力下においても非常に安定であり、また、γ単相材よりも優れたクリープ抵抗を示すことを明かにしている。
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