研究概要 |
空気アトマイズして作製したRS2024Al-3Fe-5Ni及びRASl-3Fe-3Ni-3Cr-0.7Zr合金粉末に,アルゴン雰囲気中で,振動ボールミルを用いて,メカニカルアロイング(MA)を付加し固化成形したた.以下に得られた成果を述べる. 1 Al_9FeNiやAl_<80>Cr_<13.5>Fe_<6.5>準結晶のような金属間化合物粒子の微細分散が,それぞれ,RS2024Al-3Fe-5Ni及びRSAl-3Fe-3Ni-3Cr-0.7Zr合金押出し材の主たる強化要因である. 2 DSC,XRD,TEMの結果によれば,MA時間の増大に伴い上記の化合物粒子は微細化し,最終的にMAの高エネルギーによって化合物構成元素の遷移元素がマトリックスに強制固溶することが分かった. 3 673Kでの熱間押出し工程中に,Al-3Fe-3Ni-3Cr-0.7Zr合金の場合には,その遷移元素はAl_3Fe,Al_3Ni,及びAl_<13>Cr_2粒子として微細な結晶粒の粒界や粒内に微細析出した.得られた室温と573Kに於ける引張り強さは,それぞれ,RS粉末から得られた押出し材では,約431.9MPaと208.7MPa及び154.8ks-MA粉末から得られた押出し材では約675.7MPaと281MPaであった.しかし,MA材では延性は低かった. 4 このようなMA付加による,室温から573Kまでの高温度における強度の顕著な改善は,極端に微細な下部組織の形成と微細化合物粒子の析出分散によるものである.
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