研究課題/領域番号 |
07650815
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
北川 和夫 金沢大学, 工学部, 教授 (30019757)
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研究分担者 |
北 和久 金沢大学, 工学部, 助手 (10195240)
門前 亮一 金沢大学, 工学部, 助教授 (20166466)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 疲労破壊 / 銅双結晶 / き裂の発生 / き裂の伝播 / 小傾角粒界 / 対応粒界 / ランダム粒界 |
研究概要 |
本研究は疲労特性に及ぼす粒界の影響について明らかにすることを目的とし,[III]対称傾角粒界を有する高純度銅双結晶について、その場SEM観察による疲労き裂の発生と伝播の挙動について検討したものである。 双結晶は小傾角粒界を有するΣ1、対応粒界を有するΣ3、Σ7、Σ31、ランダム粒界を有するΣRである。試験条件は応力比R=-1、周波数=5Hzである。 1.き裂の発生場所は、(1)すべり線に沿って発生する場合(Σ1、Σ3)、(2)粒内と粒界で発生する場合(Σ31)、(3)粒界で発生する場合(Σ7、ΣR)の3とおりが存在した。き裂発生時の△K_1は、すべり線に沿って粒内でき裂が発生した双結晶では、2.50〜3.00MPa√m、粒界でき裂が発生した双結晶では1.75〜2.00MPa√mであった。 2.き裂の伝播経路については、(1)すべり線に沿って粒内を伝播する場合と、(2)粒界を伝播する場合とがあった。例として、Σ1双結晶ではすべり線に沿っていた。その理由は、粒界で転位が堆積しないので、そこでの応力集中が発生しなかったためと考えられる。一方、Σ31の場合は粒界に沿っていた。これは主すべり系の連続性が悪いことにより、粒界で堆積転位による応力集中が発生したためと推察された。 3.以上の結果を総括すると以下のとおりである。 (1)疲労き裂の発生抵抗は粒界のほうが粒内より小さかった。 (2)小傾角粒界では、疲労き裂はすべり線に沿って発生、粒内を伝播するが、その速度は遅かった。 (3)ランダム粒界では、疲労き裂の発生と伝播は粒界で起こり、その速度は著しく速かった。 しかし、対応粒界と疲労き裂の発生・伝播との関係を明確にすることはできなかった。
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