研究課題/領域番号 |
07650824
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
山田 豊 東海大学, 工学部, 教授 (10266372)
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研究分担者 |
太刀川 恭治 東海大学, 工学部, 教授 (40197372)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1995年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 酸化物高温超伝導体 / ビスマス系 / Bi-2212 / 拡散法 / 臨界電流 / バルク / Ag添加 / 電流リ-ド / バルク体 |
研究概要 |
Bi系2212酸化物高温超伝導体の拡散法による作製とその特性について研究を行った。拡散法は、高融点の酸化物基盤と低融点の酸化物塗布材との拡散反応により所望の超伝導相を得る方法であるが、本科学研究費補助金により設置した小型等方圧加圧装置を用いて成形した中実円筒(直径3mm)基盤の外周部に均一で緻密な、厚さ約150μmのBi系2212酸化物超伝導層を拡散法により合成し、実用上重要な臨界電流特性と組織との関係を主として調べた。 Bi系2212酸化物超伝導体は、上記0212(Sr:Ca:Cu=2:1:2)酸化物基盤と2001(Bi:Cu=2:1)酸化物塗布材との拡散反応によりBi_2(Sr,Ca)_2Cu酸化物を経て生成し、拡散方向すなわち円筒試料の半径方向に板状の結晶が配向した特徴ある組織を呈している。酸化物塗布材中に添加したAgは、拡散反応を促進し、短時間で拡散相を生成する効果があり、反応後は円筒状試料表面に集積して超伝導層と電極との接触抵抗を低減する。臨界電流(Ic)は、25K以下の自己磁場下では当大学の電源容量の限界である300Aを超えており、これは、バルクとしては極めて高い20000A/cm^2以上の臨界電流密度(Jc)に相当する。Icは、温度および磁場の増加とともに減少するが、50K-0T,40K-0.5T及び35K-1Tにおいて100AのIcが得られた。拡散法で作製した本バルク試料は、IcおよびJcともに高く、酸化物特有の低熱伝導率を有しているので、ガス冷却型あるいは冷凍機冷却型いずれの場合についても低熱侵入量の電流リ-ドとして有望である。 今後は、電流リ-ド等実用導体として重要な諸特性(接続抵抗、機械的性質、熱伝導率等)について問題点とその対策を明らかにする一方、新たにLi等の添加元素によるJcの向上について研究を行う予定である。
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