研究課題/領域番号 |
07650850
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
材料加工・処理
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
山川 宏二 (山川 宏) 大阪府立大学, 工学部, 教授 (00026189)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1996年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1995年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | アルカリ溶液 / 鉄 / 炭酸塩 / 水素吸収 / 走査振動電極 / 不働態被膜 / 水素吸蔵 / シアンイオン / 硫化水素 / 不働態被膜の破壊 |
研究概要 |
電気化学的水素透過法、分極法及び走査振動電極法を用いて硫化水素並びに炭酸ガス環境における炭素鋼と低合金鋼の皮膜破壊と水素吸蔵との関係を調べ、以下のことが明らかになった。 (1)NACE及びBP溶液では硫化水素の表面吸着により水素含有量が増加することがわかった。 (2)硫化水素含有アルカリ溶液中において、水素含有量はほとんど観測されなかったが、KCNを添加すると水素吸蔵の急激な増加が生じた。これはKCNによる硫化鉄皮膜の破壊で生じることを明らかにした。 (3)窒素環境下での中性・アルカリ溶液では水素含有量はpHの増加とともに減少し、アルカリ溶液ではほとんど検出することができなかった。しかしながら、炭酸ガス環境においてはpHに関係なく明瞭に水素含有量が観測され、その挙動は、pHに依存することがわかった。水素含有量のpH依存性は生成炭酸鉄の腐食抑制作用、炭酸鉄の錯イオン形成による溶解、炭酸イオンの表面吸着等から説明することができた。 (4)走査振動電極法により、硫化水素環境下では局在化したアノード部は浸漬時間とともに移動していくことがわかった。しかしながら、炭酸ガス環境においては見掛け上アノード部の局在化はみとめられず、全面腐食の様子を呈した。 (5)従来中性・アルカリ溶液において、材料の水素吸蔵は起こらないと考えられていたが、硫化水素環境にKCNが存在する場合あるいは炭酸ガス環境において、水素吸蔵が起こり、材料が水素脆性を生ずる可能性があることが明らかになった。
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