研究課題/領域番号 |
07650914
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
反応・分離工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
西山 よし行 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (10006299)
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研究分担者 |
松永 利昭 秋田大学, 鉱山学部, 教授 (40006309)
村上 賢治 秋田大学, 鉱山学部, 助手 (10272030)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 褐炭 / 低温熱分解 / 構造解析 / イオン交換選択性 / フミン酸抽出 / 膨潤度測定 / オーストラリア褐炭 / イオン交換 / 表面処理 / 有機溶媒添加 / 金属イオン / 膨潤 / 交換速度 |
研究概要 |
本研究ではオーストラリア産のビクトリア褐炭のイオン交換特性の解明を目的とし、以下の検討を行った。 1.鉄交換量への前処理の影響: Yalloum炭の前処理としてナトリウム、カルシウム交換を行い、この試料と原炭の鉄交換量を比較した。原炭に比べ、前交換炭では鉄交換量が2〜4倍に増加した。また、カルシウム前交換量とその後の鉄交換量の間には良い相関関係が認められた。 2.褐炭への熱処理及び交換溶液への有機溶媒添加の効果: 熱処理を施したLoy Yang炭を用い、コバルト、マグネシウム交換時の有機溶媒添加(主にアセトン)の効果を検討した。熱処理炭は水溶液中では交換しないが、有機溶媒添加により交換量は増加した。その増加の挙動は膨潤度とほぼ一致した。また、カチオン種による交換量の違いからポアサイズとカチオンサイズとが関係することを見出した。 3.イオン交換速度の検討: カチオン種により交換速度に違いが見られ、その順はカルシウム、ニッケル、鉄の順となった。また、カチオン濃度が高い場合に温度による交換速度の違いが見られた。エタノールを添加した場合、交換速度は変わらずに最大交換量が増加した。 4.イオン交換選択性の検討: コバルトーニッケル混合溶液からのイオン交換の結果、全pH域において選択率はほぼ50%であった。一方、コバルトーマグネシウム混合溶液からの実験では低pH側ではマグネシウム、高pH側ではコバルトの選択率が高く、熱処理温度の上昇に伴い、低pH側でのマグネシウム選択率が上昇した。以上の結果は水和カチオンの大きさとpHによる褐炭のポアサイズの変化を考慮することで説明できた。 以上、褐炭のイオン交換性は構造と密接に関連し、適当な方法でイオン交換量は制御できることが分かった。
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