研究課題/領域番号 |
07650921
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
反応・分離工学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
入谷 英司 名古屋大学, 工学部, 助教授 (60144119)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 超音波 / タンパク質 / 限外濾過 / 2成分 / 分画 / 濾過ケ-ク / 膜分離 / 膜面傾斜型濾過 |
研究概要 |
限外濾過による2成分系タンパク質溶液の新しい分画法を得るために、本研究では、超音波照射型の膜面傾斜型濾過法を提案し、種々の実験を行った結果、以下の知見を得た。 1 分子量と等電点が異なる牛血清アルブミン(BSA)と卵白リゾチームの2成分系タンパク質溶液に超音波を照射しつつ、分子量の大きなBSAは阻止し、分子量の小さなリゾチームは透過する分画分子量をもつ限外濾過膜を用いて、種々の傾斜角度の膜面傾斜型濾過や攪拌セルによる攪拌型濾過試験を行った。濾過速度の経時変化の測定結果から、超音波の照射により濾過速度が著しく増加することを明らかにした。 2 超音波を照射しつつ2成分系タンパク質溶液の濾過を行うと、濾過速度が増加する場合に通常見られるリゾチームの阻止率の上昇が起こらず、高分離速度で2成分の分画を効率よく行い得ることが明らかとなった。 3 前処理として2成分系タンパク質溶液に超音波を照射した後に限外濾過を行った場合には、超音波の効果はほとんど現れず、濾過中に超音波を照射することが極めて重要であることが明らかとなった。 4 2成分系タンパク質溶液の限外濾過における濾過速度は、超音波の照射により、その出力の増大とともに直線的に増加することを明らかにした。 2成分タンパク質溶液の限外濾過において、超音波の照射がタンパク質の効率的な分画を行うために極めて有効なことが本研究により明らかとなった。最適操作と設計の指針を確立するために、限外濾過に及ぼす超音波の作用機構をさらに詳細に検討して、複雑な濾過機構を明らかにする必要があり、現在引き続き検討中である。
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