研究課題/領域番号 |
07650923
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
反応・分離工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
前 一廣 京都大学, 工学部, 助教授 (70192325)
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研究分担者 |
中川 浩行 京都大学, 工学部, 助手 (40263115)
三浦 孝一 京都大学, 工学研究科, 教授 (40111942)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1995年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 活性炭素繊維 / 新規不融化法 / 硝酸酸化法 / ACF / フェノール樹脂コンポジット |
研究概要 |
活性炭素繊維(ACF)の製造工程の中でピッチ繊維を不溶・不融の繊維にする不融化工程は最も時間がかかり、価格を押し上げる原因となっている。また充填密度が0.1cc/gと非常に低いために充填密度を上げる方法の開発が望まれている。そこで本研究では、従来の空気酸化法を使用しない新しい不融化法とACFの充填密度を向上させる方法の開発を目的とした。 1.硝酸酸化法による新規不融化法の開発 原料としては石油系の等方性ピッチ繊維(繊維径15μm、軟化点260℃)を用いた。6N HNO3水溶液中25℃で処理したピッチ繊維を窒素気流中10℃/minで900℃まで昇温して炭化した繊維を電子顕微鏡で観察したところ、繊維が溶融・融着している様子はなかった。このことから硝酸による液相酸化法によって不融化が達成できることが明らかになった。 2.ACF/フェノール樹脂コンポジットによる高密度活性炭素繊維の製造 95℃のオイルバス中でフェノール、ホルムアルデヒド、アンモニア水と混合し、フェノール樹脂の合成を行い、1時間後に活性炭素繊維を加えた(ACF/フェノール=0.4)。得られた樹脂を粉砕、分級(粒子径1mm)し、窒素気流中流動層を用いて900℃まで昇温し、炭化した。このようにして得られたコンポジットは強度、密度ともに非常に高いものであった。また、iso-C4H10の吸着を行ったところ、フェノール樹脂のみの炭化物では全く吸着したかったが、コンポジットには吸着した。これはコンポジット内でACFの細孔はフェノール樹脂によって閉塞されておらず、ACFの細孔構造が反映されていることを意味する。これは、フェノール樹脂合成時初期にフェノールが重合して分子量が大きくなり、ACFの細孔に進入することができなくなったためと考えられた。このようにフェノール樹脂の合成時にACFを加えることで、ACFの細孔構造を生かしながら高密度化することに成功した。
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