研究課題/領域番号 |
07650924
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
反応・分離工学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
草壁 克己 九州大学, 工学部, 助教授 (30153274)
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研究分担者 |
林 潤一郎 九州大学, 工学部, 助手 (60218576)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1995年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 無機膜 / 気体分離 / 分子ふるい / 炭素膜 / 薄膜 / 炭化ケイ素 / 熱分解 / 細孔制御 |
研究概要 |
耐熱性に優れた高機能性無機薄膜として、熱分解法により炭素膜とSi-C-O膜を開発した。炭素膜はポリアミド酸のN,N-ジメチルアセトアミド溶液をα-アルミナ支持管に塗布し、窒素気流中350°Cで加熱して、イミド化しポリイミド膜とた。これを800°C以上の温度で炭化して炭素膜とした。Si-C-O膜はSi-Cを骨格とする無機高分子であるポリカルボシランのキシレン溶液に少量のポリスチレンを溶解させ、アルミナ管をディップして最初に空気を流しながら、200°Cで酸化架橋し、不融化した。次に、窒素気流中で800-1000°Cで焼成してSi-C-O膜とした。膜の走査型電子顕微鏡観察および透過実験の結果から、炭素膜、Si-C-O膜共に、表面平滑性はよく、しかもピンホールやクラックなどの欠陥のない薄膜が創製できた。炭素膜の気体透過速度は、気体分子の動的サイズが大きくなるほど減少した。Si-C-O膜についても、同様の結果が得られた。気体分子吸着で評価された炭素の平均ミクロ細孔径は約0.4nmであった。以上の結果から、炭素膜、Si-C-O膜共に「分子ふるい性」膜として機能することがわかった。また、この場合に気体は活性化拡散に従って透過するので、透過速度は透過温度の増大と共に増大した。以上の結果から、本研究で創製した炭素膜およびSi-C-O膜は、約1000°Cの高温でも気体透過が可能であり、しかも、透過温度を約100°C変化させると、透過速度が1桁以上変化することが明らかになった。このことから、外部操作により透過温度を制御すれば、実質上、気体の透過速度をオン-オフで制御できる。炭素膜についてはプロピレンの気相反応によって細孔制御できることを明らかにした。
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