研究概要 |
プロパン酸化 Cs_<2.5>H_<0.5>PMo_<12>O_<40>を用いてプロパンの酸化反応を行うと、反応生成物は主にアクリル酸,アクロレイン,プロペン,酢酸,CO,CO_2であった。Cs_<2.5>H_<0.5>PMo_<12>O_<40>に種々の金属イオンを添加すると、Ni^<2+>やFe^<3+>の添加で活性が向上し、Fe^<3+>でアクリル酸収率が最大となった。そこで、Cs_<2.5>Fe_<0.08>H_<x+0.26>PV_xMo_<12-x>O_<40>を触媒として反応を行いV^<5+>の置換効果を検討した。転化率はx=0-3でそれぞれ12,15,8,5%となり、x=1て最大となった。選択率もx=0-3でそれぞれ20,30,21,17%となり、x=1で最大となった。したがって、アクリル酸の収率はイソブタンの場合と同様にx=1で最大となった。さらに反応温度を360℃から380℃に上げるとアクリル酸収率は13%まで向上し、これまでにV_2O_<5->P_2O_<5->TeO_2触媒等で報告されている10.5%よりも高くなった。 エタン,メタン酸化 Cs_<2.5>Ni_<0.08>H_<1.34>PVMo_<11>O_<40>やCs_<2.5>Fe_<0.08>H_<1.26>PVMo_<11>O_<40>を用いてメタン,エタンの酸化反応を350-360℃で行った。エタンの酸化反応の主生成物はエテン,COxで、酢酸は得られなかった。メタンは反応しなかった。反応性の序列は、Cs_<2.5>Ni_<0.08>H_<1.34>PVMo_<11>O_<40>,Cs_<2.5>Fe_<0.08>H_<1.26>PVMo_<11>O_<40>いずれの触媒でも、イソブタン>プロパン>エタン>メタンであった。
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