研究課題/領域番号 |
07650950
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物・生体工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
関 実 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (80206622)
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研究分担者 |
武田 俊哉 西東京科学大学, バイオサイエンス学科, 助手 (10262031)
古崎 新太郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40011209)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1995年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 植物培養細胞 / アントシアニン / コンディショニング / 天然色素 / 濾過培養 / エリシター / GPC |
研究概要 |
本研究では、植物培養細胞のコンディショニング効果(C効果)を解明するために、イチゴ培養細胞のアントシアニン生産系を例に取り上げ、少規模で感度の高い検定系を確立し、続いて、この検討系を用いてC効果の原因物質(コンディショニング因子:C因子)のキャラクタリゼーションを行った。具体的には以下の検討を行った。 (1)C効果を評価するための小スケール高感度検出系の確立: 1)4mLスケールの検定系の最適化:この検定系では、特に、低い初期細胞濃度と検定日の選定が重要であった。 2)さらに小スケールの検定培養系として、0.16mLスケールの96穴プレートの使用とマイクロプレートリーダーを用いた吸光度測定を試み、良好な結果を得たが、不均一な細胞接種が再現性を著しく低下させた。 3)小規模濾過培養システムを利用した検定培養を試みたところ、1〜2日に1回程度の培地交換により、C効果が比較的強く現われることが明らかとなった。これは、細胞分泌性のC因子の希釈による効果と考えられる。しかし、マイクロプレートリーダーによる色素の定量は、膜が不透明なために再現性が得られなかった。 (2)コンディショニング因子のキャラクタリゼーション: 1)各種溶媒による分配:C因子は親水性がかなり強く、酢酸エチル等の有機溶媒層へは移行しなかった。 2)イオン交換樹脂への吸着:陰イオン交換樹脂に弱く吸着するが、陽イオン交換樹脂へは吸着しなかった。 3)GPCによる分子量分画:2段階の精製によって、C効果による細胞内色素蓄積量が対照の約20倍に上昇する画分が得られた。この画分の分子量は、約1000〜2000で、増殖を強く阻害していた。 HPLCによる精製:上記画分に含まれ紫外域に吸収のある主要3成分について検討したが、いづれも単独でC効果を示すものはなかった。今後は、さらに微量成分の効果、成分間の相互作用を検討する必要がある。
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