研究課題/領域番号 |
07650967
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物・生体工学
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研究機関 | 東亜大学 |
研究代表者 |
堀内 孝 東亜大学, 工学部, 教授 (10201758)
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研究分担者 |
村林 俊 北海道大学, 大学院, 助教授 (30200306)
尾崎 正若 東亜大学, 大学院, 教授 (00039588)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1995年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 腹膜透析 / 腹膜硬化症 / 腹膜中皮細胞 / DNA合成能 / グルコース / アルブミン / 人口腹膜 / chemical fibrosis |
研究概要 |
腹膜中皮細胞の足場としてのコラーゲン組織に対するグルコース浸漬の影響、さらには薬液性の腹膜繊維症の作成と腹膜機能の変化に関して研究を行ない腹膜硬化症発症機序の解明を試みた。 腹膜中皮細胞はコラーゲン組織を足場に単層を構成しているが、腹膜炎による細胞層離脱時には露出したコラーゲン組織が透析液中のグルコースや溶質透過性の亢進により漏出した血漿アルブミンに浸漬することになる。このin vivoにおける状態をin vitro培養系でモデル化するためにI型コラーゲン被覆培養プレートに濃度30mM〜150mMのグルコースを1〜5週間浸漬した後、腹膜中皮細胞を植種し、そのDNA合成能を評価した。浸漬の有無にかかわらず培地に高濃度のグルコースを含む条件下ではDNA合成能は有意に抑制されたが、低濃度のグルコースを含む条件下では長期浸漬群ではかえって長期浸漬群でDNA合成抑制の影響は軽度になる傾向にあった。一方、アルブミンへの浸漬群においても1週間目における抑制性の作用にくらべ、長期浸漬群ではその影響はみられなかった。 腹膜硬化のメカニズムをマクロに捉えるためグルコン酸クロルヘキシジン(DHG)の腹腔内投与による薬液性のモデルを作成し、投与量/方法と溶質透過性の変化、病理組織像の関連性を調べた。投与方法と投与量の組み合わせにより極端に結果が異なることが認められた。0.2%グルコン酸クロルヘキシジンを20ml/kg注入群を1時間貯留と2時間貯留とした場合、前者では11例中8例(2例は麻酔死)が1カ月生存し、内5例に組織学的変化と溶質透過性の亢進をみた。一方、2時間貯留群では5例中2例が炎症性の変化により2週間以内に死亡した。本実験から0.2%CHGを用いる場合は貯留時間を1時間程度に濃度をそれより低くするならば、貯留時間を2時間以上必要なことが認められた。
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