研究課題/領域番号 |
07650970
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業分析化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
上舘 民夫 北海道大学, 工学部, 助教授 (70185990)
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研究分担者 |
渡辺 寛人 北海道大学, 工学部, 教授 (80002856)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 化学発光 / チトクロムP-450 / ルミノール |
研究概要 |
生体膜に存在するチトクロムP-450は、分子状酸素を活性化して医薬品や化学物質などの低分子有機基質の代謝反応の関与し、重要な生理機能を有している。したがって、これまでに多くの分析法が開発されてきたが、十分な感度が得られていないのが現状である。そこで、本研究においてルミノール化学発光(CL)を利用するP-450の高感度分析法の開発を試みた。本測定原理によりP-450の高感度分析法を確立するためには、P-450を触媒とするルミノールCL反応について、発光効率に影響する因子について検討する必要がある。はじめに、CL強度に及ぼすTriton X-100の影響について検討した。Triton X-100がミセルを生成しない濃度条件におけるCL強度と、ミセルを生成する濃度条件におけるCL強度を比較すると、Triton X-100の臨界ミセル濃度付近でCL強度が著しく増大することが明かとなった。つぎに、CL強度に及ぼすグリセロール濃度の影響を検討した。その結果、グリセロール濃度が20%付近まではCL強度に大きな変化はなかったが、20%以上になるとCL強度は徐々に減少した。つぎにCL強度に及ぼすpHの影響について検討した。その結果、pHの値が増大するにしたがってCL強度は増大した。最後に、ルミノールおよび過酸化水素濃度の影響について検討した。その結果、CL強度はそれぞれの濃度に依存し、ルミノール濃度が1.0x10^<-3>Mまた過酸化水素濃度が5.0x10^<-2>Mのとき、CL強度は最大になった。以上の最適条件で、P-450の検量線を作成した。その結果、検出下限である2.0x10^<-10>Mから1.0x10^<-7>Mの濃度範囲において、CL強度とP-450濃度との間に良好な直線関係が得られた。本法によるP-450の検出感度は従来用いられている吸光光度法の検出感度と比較して約2,500倍感度が増大した。以上の結果から、吸光光度法では定量できなかった超微量のP-450の定量が可能になった。
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