研究課題/領域番号 |
07650977
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業分析化学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
田中 智一 名古屋大学, 工学部, 助手 (40236609)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | ICP質量分析法 / レーザーアブレーション / 光散乱法 / 高精度化 / 固体試料 / 直接分析 |
研究概要 |
レーザーアブレーション/ICP質量分析法(LA/ICP-MS)において、光散乱粒子カウンターをLA用のサンプリングセルからト-チに至る試料蒸気搬送経路に組み込み、プラズマへ導入される試料蒸気濃度を補正することにより測定精度の向上を図った。本研究で使用したNd:YAGレーザーの発振モードにはFreerunningとQswitchの2つのモードがあるが、分析的な特性としてはFreerunningよりもQswitchモードの方が優れていると言われている。そこで両モードにおいてレーザーの照射条件などの影響を比較した。その結果、Freerunningではレーザーの照射エネルギーを増大しても散乱光強度による補正が可能であるのに対し、Qswitchではエネルギーを増大させるとむしろ精度が劣化した。この原因としてQswitchモードにおける散乱光強度が低いことが考えられた。Qswitchモードにおいてはレーザー光の焦点位置が散乱光強度に大きな影響を与えたことから、最適な焦点位置でレーザーを照射したところ、高いエネルギーのQswitchモードでも精度が十分に向上することが分かった。また散乱光強度は、試料蒸気が光散乱粒子カウンターを通過する際の粒子の大きさや形状に大きく依存するため、両モードによって得られた試料蒸発粒子ついて、走査型電子顕微鏡による形態観察を行い、粒径や形状を比較した。レーザーの照射エネルギーやマトリックスによる蒸発粒子への影響についても併せて検討を行った。その結果、Freerunningモードではサンプルマトリックスの違いによって粒子の形態が異なったことから、光散乱法を用いるLA/ICP-MSの適用範囲が制限されるものと思われた。一方、比較的高いエネルギーのQswitchモードでレーザーを照射した場合には、サンプルマトリックスが異なっても粒子の形態に大きな差が見られず、サンプルマトリックスの影響を受けずに光散乱法による補正を適用できる可能性が見出された。
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