研究課題/領域番号 |
07651086
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
圓藤 紀代司 大阪市立大学, 工学部, 助教授 (10047409)
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研究分担者 |
青木 修三 大阪市立大学, 工学部, 教授 (00244632)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 環状ジスルフィド / 大環状ポリマー / 熱重合 / 環拡大機構 / ラジカル開環重合 / 末端基 |
研究概要 |
環状ジスルフィドの単独重合における重合機構ならびに生成ポリマーの解析についての検討を行った。まず、環状ジスルフィドの合成において6員環ジスルフィドであるテトラメチレンジスルフィド(TMDS)をα,ω-ブタンジチオールより合成した。このとき蒸留による精製のみでは微量の原料が存在し、その高い連鎖移動能により重合は著しく遅くなり、生成するポリマーも直鎖状の末端基を有するものであった。一方、メタノールよりTMDSを再結晶により精製すると、その重合性は著しく高くなった。このようにして精製したTMDSの重合はラジカル開始剤なしで非常に容易に重合した。生成ポリマーの核磁気共鳴スペクトルの解析から末端の存在は認められず、大環状ポリマーが生成していることが分かった。さらに、このようにして合成したポリマーをベンジルメルカプタンと紫外線照射下に反応することにより末端基が導入されることが核磁気共鳴スペクトルの解析から確認され、TMDSの重合からは大環状ポリマーが生成していることが明らかとなった。TMDSの重合はDPPHなどのラジカル禁止剤の存在下では進行しないことよりラジカル機構で進行していることが分かった。また、TMDSの重合において生成ポリマーの分子量は重合の進行にともない増大することがGPC測定より分かった。TMDSの重合速度に及ぼすモノマー濃度の依存性の検討から、その依存性は通常のビニルモノマーのそれと比較して非常に高かった。以上ような結果からTMDSの熱重合は環拡大機構により進行していることが明らかとなった。5員環環状ジスルフィドであるリポ酸およびリポアミドの重合を検討した。その結果、両モノマーとの融点以上では容易に重合し、重合速度に及ぼすモノマー濃度の影響においても、高いモノマー濃度依存性を示すことが分かった。また、生成ポリマーの核磁気共鳴スペクトルの解析から大環状ポリマーが生成してることが確認された。
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